豪華な春だと思った。
桜は、八重が咲き初めで、普通のは半ば散り始めてたけども、桜坊に林檎(?)菜の花に菫に梅、みんないっぺんに開いて、遠くの山には、まだまだ雪が残ってる。
やっとね、約束を果たせたよチト。
あの朝、わざわざ人の布団の所まで挨拶に来てくれたんだもんなぁ。
猫が、最後の場所に選ぶのは、一番自分の安らぐ場所だってのを後から聞かされて...お前さんにとっては、とんでもなく斑気で、言葉の通じないヘタレな飼い主だったのにね。
本当ならば、自分が行かなきゃいけなかったんだけども義姉さんも義母さんも義父さんも、もちろん妻も、皆に最後の始末をさせる中、手前の後始末も出来ずにグズグズになってたんだもんなぁ。
当然、言葉は返ってこないし、どこまで行っても自己満足に過ぎないのは、判りきってるんだけども、どうしても、一度、お前さんが眠ってる場所でタバコ吸いながら話がしたかったんだよ、一人でさ。
結局の所、私の都合で寿命縮めたようなもんだったからねぇ、やっぱり。
いっつも、一生懸命に人の話を聞いてくれてたよなぁ。
す〜っと寄って来て、どさっと人の足に体重掛けて眠ってたよなぁ。
で、たまぁ〜に薄目を開けて、こっちの様子を伺いながら...知らん振りを決め込んでくれてたもんなぁ(笑)

とりあえず、お前のお気に入りの猫缶詰は、そこを縄張りにしてるらしい半野良の親子が美味しく頂いてた様だし、近くにピー猫も眠ってるしね。
冬は、チトが生きてる間には見ることもなかった様な雪に降り込められて、吃驚したろうけども、もうヒトに合わせなくて良いからね。
此処にも、そこにも居ない事は判ってるんだけどさ、どうしても声をかけておきたかったんだよなぁ...うん、勝手だよねぇ人間は。
往復の途中、新横だの東京だの埼玉だのと、どす黒いものがこみ上げてくる場所を通り過ぎて気分悪くなる程度で釣り合うなんて、これっぱかしも思っちゃないから。
なぁ、お前さんは、きっちりと最後まで「家族」だったよ。
うん、常に考え続けていられるほど器用ではないし、涙流せるほどの人情屋でもないけども、たぶん...忘れられないねぇ...チト。
こんどこそ、ゆっくりお休みナ。
もう痛いことも、嫌な事も一切起こらないからネ。

...チトこと頭の中では、いつまでもチビこいシトラスへ

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kaj

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