再録：人形遊び
2005年9月23日
小さな女の子は、古びた鞄を部屋に持ってきました。
鞄を開けると、そこは小さな部屋の中。
小さなテーブルに小さな小さなティーセット。
そして、女の子にそっくりなお人形。
「さあ、お行儀よくしてね。」
「温かいお茶を召し上がれ、クッキーもいかが?」
「素敵なドレスを着てるのね。」
女の子は、大きな部屋の中、たった一人で遊んでいます。
窓の外は、真っ暗で、風が寂しく吹いています。
「ねぇ、あなたは私のことが好きかしら?」
女の子は、お人形に話します。
部屋の中には女の子の他に誰もいません。
温かいお茶も、クッキーもありません。
「ねぇ、答えてよ。」
寂しい女の子は、人形に話し掛けます。
でも、お人形には、答えることができません。
「お前なんか嫌いだ！！」
小さな女の子は、お人形を部屋の床に叩き付けました。
人形のお部屋は、目茶苦茶になってしまいました。
それでも床の上の人形は、何も答えてくれません。
上の方から声が聞こえます。
「さあ、お人形遊びを始めましょう。」
そして、壁がバタンと向こう側へ倒れて...
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